皆の者、よう参られた。

今日から師走。

我等も本日より春日山を降りて、本陣「埋蔵文化財せんたー」企画展が主戦場である。

さて。

此度の武録の主題に致した文は皆の者知っておるよな？

そう、漢詩の川中島である「不識庵機山を撃つの図に題す」の一文じゃ。

実は昨日11月30日と、今日12月1日の二日間は、我が郷では川渡餅(かわたりもち)と言うものを皆で食すと言う文化があるのじゃ。

元々12月1日には無病息災を願い、餅を搗いて食すと言うものが伝わっておったそうじゃが、それに儂が第四次川中島合戦の折に、出陣に際して兵の士気を高める為に餅を振る舞い、川を渡って武田軍との戦に及んだことを合わせなぞらえて出来た餅の文化じゃそうな。

その「川渡餅」を、皆で食べ歩いて楽しもうぞ〜！

という企画が昨日から行われて、儂等上杉おもてなし武将隊も餅を食べる為・・・否、参陣される御客人をおもてなし致すために参加して参ったのじゃ。

これを食べれば無病息災、水難も免れると言う事であるが。

はて。

外は激しき雨？

・・・うーむ。

一つ二つじゃ足りぬようじゃな。

もう少しいただこうかのう。

それは兎も角、各日共に三軒別々のお店を回って食した餅は、ここのお店の特色やこだわりがあってどれも大変美味であった！

一年に二日だけしか食べれぬのは何とももったいない。

しかし、だからこそこの日を特別な日と致して待ちわびておる方もいると聞く故、それもまあ良いものではあるか。

皆の者も来年は是非我が郷名物の「川渡餅」を頂いてみてくれい。

さて、では腹も膨れて士気も高まって参ったところで、次なる戦へと出陣致そうか。

新たな戦へ上杉謙信いざ、参る！！

・・・・・・・・・・・・雨止まぬのう。